どんぐりの春           　

学校に行けないと

泣いていたあの日

拾ったどんぐりを

庭に植えた

次の年には芽が出て

その次の年には

更に大きくなった

君が学校へ行かなくても

どんぐりは大きくなり

庭では大きくなりすぎて

ひょんなことから

君の苦手な学校の庭へ

別に学校がすべてではない

学校に行かなくても

君は大きくなる

あの、どんぐりのように

家の庭から飛び出すときが来る

いろんな生き方があり

いろんな人がいる

自分だけが特別じゃなく

毎日は過ぎていく

大丈夫

毎年必ず春が来て

どんぐりは大きくなる

君が２０才になったら

どんぐりの前で写真を撮る

それが今の

父さんの楽しみなんだ