明日の風は

ぼくはこどもに
じゅうをもってほしくない
ひとをころしてほしくない
ころされてほしくもない

くにのために
しんじてなにかをやってみたところで
くにのかたちはもともとはっきりしないから
きみのてのすきまからにげていく
そんなときには
かぞくのためにいきてほしい

ことばではどうしても
わかりあうことができない
そんなひともいるようだ
テレビが
おとなりのくにのニュースをつたえているよ

わたしたちはきみたちに
やさしさをもとめすぎたのかもしれないね
あいてをおもいやることは
すごくつかれることなのに
でも、
きみたちのことはほこりにおもう
きみたちのようなこは
なかなかいない
とまどうこともおおいかもしれないけれど
きみたちは、まちがっちゃいない

じつはきみたちは
ちょっとかわったくににすんでいるんだ
じゆうにいろんなことがしゃべれて
そうだ、とか
ちがう、とか
おもったことをいえるのがあたりまえなくに
それもこれも
けんぽうがちょっとかわっているおかげなんだ

かわってるからかえてしまおう
そんなかぜもふいている
かわっていても
よいものはよい
そうおもうんだ、おとうさんは
おしつけるつもりはないけど
そうおもうんだ

どうしてあのとき
まもってくれなかったの？！
あとで、きみたちに
といつめられないように
おとなのわたしたちは
きみたちいがいにも
まもるものがあるようだ

きょうもかぜがふいてる
あしたのかぜは
どっちからふくんだろう
かぜのむきはかえられない
だけど
ひとのこころはかえられる
そう、しんじてる
こころのかぜは
あしたにむかってふいている