夕陽を浴びて

旅の途中の電車の中
隣りにかわいい男の子が座ってきて
テーブルを出し
おもちゃをリュックからすべて出して
店開きをはじめた
その様子はまさに真剣で
あまりの力の入れようのせいか
夕陽を浴びて
そのまま眠ってしまった

僕にもそういえば
そんな頃があった
懐かしい気もするけど
そんな遠い話ではない
どこかに行くときは
着替えよりもねえ
まずおもちゃ、だったよなあ

子どもができたら
何をして遊ぼう
どんな本を読んであげようかなあ
一緒にごろごろと
寝っ転がるのも楽しいねえ
あと、ぬいぐるみは
やっぱりくまだろう
そろそろ下見をはじめようか
大きな子分を見つけてあげなきゃ

隣りの子もそろそろ飽きてきた
目的地はどこだろう
元気にすくすく大きくなるんだよ
夕暮れの中を
電車はたんたんと走っていく
明日もきっと
晴れるといいね