６・４〜遙かなる友へ

今日　僕は
２１年目の６月４日を迎えようとしている
一昨年前までは
なんてことのない
６月のとある一日
だけど　去年のあの日から
僕の一年は
６月４日を中心に回り出すことになった

最初ＴＶで見たときには
なんのことかよく理解できなくて
ただ　僕らと同じ若い仲間たちが
僕も２年前歩いた広場に
バタバタと倒れていた
１００万人も集まった
あの広い広場は寒々としていて
翌日残されたのは
たくさんの仲間たちの足跡の代わりに
たくさんのキャタピラの跡

人を
国を
愛するってどういうことだろう
信じて　裏切られて
そのとき人々はどこに行くのだろう

隣りの国のことだけど
無関心じゃいられない
似たようなことが
ほら、僕らの近くにも
なのに　今日のＴＶは
お義理のスポットと
次の話題に移ろうとする
にこやかなキャスター
おい、
本当に大丈夫か
俺の愛するこの国は
「愛しなさい」
そんなことを言われ始めたら
この国は本当に危ない

あの日から一年
世界はものすごいスピードで
動きはじめているのに
あの国だけは何も変わらずにいる
彼に宛てた手紙も
ちゃんと届いたろうか
返事はまだ、ない

ねえ、
風向きは
本当に変わるのかな
教えて欲しい

明日は見えているかい
遙かなる友よ